休暇を取得しづらいケースもある?

高齢になった親や身内の介護は誰にでも起こり得ることです。それだけでも大変ですが、仕事と両立しなければならない環境であれば、なおさらでしょう。精神的にも肉体的にも負担がかかり過ぎる状態は、介護をする側にとっても、される側にとっても望ましくありません。

そのような場合に利用したいのが介護休暇です。年齢による介護だけではなく、家族の怪我や病気で介護が必要であれば取得できる休暇になります。身体的な介護はもちろん、行政への手続き代行でも所得でき、時間単位での利用も可能です。
ただし、介護休暇の期間やその間に保証される給料の割合、休暇取得の条件などは企業によって違いがあります。

取得できる制度は法律で定められていますが、労働者の権利である介護休暇を企業側が許可しない事例が多くあるのです。事実、2012年に厚生労働省が委託した調査によると、介護を理由とする離職者は年間10万人余りおり、その半数以上は会社に残りたいと望んでいたといいます。

産休や育児休暇のように、さまざまな理由を並べて休暇取得希望者が離職に追い込まれています。職場に復帰した際に待遇や給料面で不利益を被ることも含めて、これらは明確な企業側の違反です。勤めている会社が介護休暇の取得に前向きならいいのですが、そうでない場合もあるでしょう。集団で圧力をかけられたり、根負けするまで話し合いの場が設けられたりといったケースに遭遇した際には、離職に追い込まれないためにも、労働組合や労働基準監督署へ相談することも選択肢に入れておくことも大切です。